幸福の木(ドラセナ・マッサンゲアナ)の育て方
学名はドラセナ・フラグランス・マッサンゲアナ。
めったに咲かないお花が咲くとよい香りがするのでこんな名前がついた観葉植物ですが、別名の「幸福の木」と呼ぶ方がピンとくるのではないでしょうか?
明るい場所を好みますが、強すぎる光は避けて下さい。
レースのカーテン等で少し日差しを遮った(遮光)窓際やリビング、もしくは午前中だけ日差しが入る場所に置いて下さい。
冷え込む季節には、風邪ひかないように、なるべく暖かくしてあげると良いでしょう。
原産国:ギニア エチオピア アフリカ熱帯雨林気候区
学名:Dracaena fragrans cv. Massangeanam
同属種:カンボジアーナ、サンデリアーナ
耐陰性: 室内の窓際 日当たりの良い室外
耐寒性: -5℃ 0℃ 5℃ 10℃ 15℃
育てやすさ: 初心者 中級者 上級者
幸福の木(ドラセナ・マッサンゲアナ)ってどんな植物?
「幸福の木」という名前でよく販売されているのですが、本名は「ドラセナ・マッサンゲアナ」といいます。
あまり聞きなれないかもしれませんね。
特徴としては、葉っぱの濃い緑色と薄いライムグリーンのような黄緑色のコントラストが美しいところです。とても綺麗でまるで作り物のようです。。
名前の通り縁起が良い植物とされ、幸せになりますようにという願いを込めて、新築祝いや開店祝いなど新しいことへの始まりの贈り物に喜ばれています。それではどうして、幸福の木と呼ばれるようになったのでしょうか?実はその理由は故郷に関係があるのです。原産地の南の島では生命力が旺盛で、すごく長寿な植物として知られ、垣根に植えると縁起が良いとして、大事にされたそうですよ。
風水的に見ても上向きに生える葉っぱは邪気を払うとして重宝されています。
玄関に飾ると良いとされており、悪い気が家の中に入らないように守ってくれる効果が期待できます。
また、リビングに飾ることでお部屋を明るくし良い気で満たしてくれそうです。
育てるときっとポジティブで前向きになれると思いますよ!
水やりのコツ
1回の水やりは鉢底から水が出るくらいの量を必ず与えてください。土の表面を濡らす程度の水やりでは、鉢の中心まで水が入っていないです。
土の表面がしっかり乾いたら土の全体に水が行き渡るように、乾湿を意識したメリハリのある水やりを行いましょう。
【一言メモ】
おそらく枯れる原因として水の与えすぎで腐ってしまうことが多いと思います。
比較的乾燥を好む傾向にある植物なので水やりには注意が必要です。
少し放置するぐらいがちょうど良いかもしれませんね。
葉水について
スプレーなどで、植物の葉に霧吹きを行うことを葉水といいます。
水やりだけでは、葉の乾燥による傷みを防ぐことはできません。
補助的な水やりとして、葉水は必要とされています。
【メリット】
(1)水分補給
葉面からも水分を吸収することができます。また、根が弱っている植物にも効果的です。
(2)埃を落とす
室内に置いていると、葉には埃が付きます。この埃のせいで光合成が上手くできない場合があります。
(3)病害虫予防
水を嫌う虫から植物を守ります。害虫予防が結果的に病気のリスクを下げてくれます。
【与え方】
春~秋は葉の全体がしっかり濡れるまで葉水を行ってください。
乾燥する冬も葉水は必要ですが、水滴が滴るほど与えるのはNGです。葉全体にふんわり水滴が乗る程度にしましょう。
年間を通して、毎日行うようにするとよいですが、水やりをしっかり行っていれば葉水を忘れても枯れることはありません。
肥料の与え方
肥料を与える時期は4月~6月と9月~10月です。
この期間以外は、生長が鈍るので控えましょう。
おすすめの肥料の与え方は、緩効性化成肥料(置き肥)と液体肥料を平行して使用することです。それぞれの肥料にはメリット・デメリットがあります。同時に与えることでそれぞれのデメリットを補い合ってくれます。
ちなみに、液体肥料を与える頻度としては、2週間に1度くらいが良いです。
※7月~8月の気温が高すぎる時期は根が休む場合があります。根が動かない時期に肥料を与えすぎると、肥料焼けを起こします。
この時期は、緩効性化成肥料(置き肥)を与えない方が安全です。水やりの代わりに液体肥料を2週間に1度くらいのペースで与えるだけにしておきましょう。
剪定について
不要な枝や葉を切り落とすことで、植物を健全に育てる手助けをすることができます。
【メリット】
1、込み合った枝や葉を切ることで、蒸れにくくなり害虫対策になります。
2、葉っぱ1枚1枚に光が満遍なく当たるようになります。
3、不要な葉を切ることで、新芽などに養分が行き渡り成長が促進されます。
【注意点】
剪定は4月~5月・9月が適期です。休眠期や気温の高い時期に幹を切るなどの大きな剪定作業を行うと枯れるリスクが高まりますのでお控えください。小さな枝や葉を切る程度であれば年間を通していつ行っても良いです。
また、湿度の高い日の剪定作業は控えてください。切り口が乾燥せず、カビなどが発生しやすいです。
【一言メモ】
伸びすぎた幹の剪定はノコギリで行います。
お好みの高さで切るようにしてください。
しばらくすると切り口の少し下あたりから新たな脇芽が出てきます。
数十年に一度花を咲かせることがありますが、花から蜜を垂らして周辺がベトベトになります。
栄養も花に取られてしまいますので、花が咲いたらなるべく早めに切ってしまった方が良いです。
植替えについて
植物は、幹や枝葉が生長しているとその分根も土の中で生長しています。
鉢の中が根でいっぱいになってしまうと、うまく水分を吸収できなくなります。
また、酸素も入らなくなり窒息してしまいます。
これらを防ぐために、2~3年に1度の植替え作業は必要です。
【注意点】
4月~5月・9月が適期です。根が休んでいる時期の植替え作業は、控えたほうが安全です。
鉢の底には、鉢底石を敷き水はけの良い土を使用しましょう。
水はけの悪い土を選ぶと根腐れを起こすので注意してください。
病害虫について
どの植物にも病害虫のリスクはあります。
特に春先と梅雨時期は、害虫が増えやすいです。
また、病気は害虫が樹液を吸うことによって、発症することが多いです。
害虫対策をしっかり行うことで病気のリスクも下げられます。
増やし方
剪定した枝を捨ててしまうのは、すこし勿体ない気持ちになりませんか?
そんな時は、その枝を使って植物を増やしてみてください。
上手く育たないこともときにはあるかと思いますが、これも植物を育てる楽しさのひとつだと思いますよ。
ちなみに増やすのに良い時期は4月~5月・9月です。
気温が安定しているときに行いましょう。
【方法】
(1)挿し木
手順1:挿し穂作り
剪定で切り落とした葉の付いている枝を1~2時間水に挿して吸水をさせます。
ワンポイント!枝を切るときは断面が斜めになるように切りましょう。
ワンポイント!葉っぱは1/3程残してあとは切り落としておきましょう。
手順2:土の用意
ポットに土を入れ予め水で湿らせておきます。
ワンポイント!このとき使用する土は、赤玉土又は挿し木専用の土を使ってください。肥料成分が入っていると腐る可能性があります。
手順3:植え込み
挿し穂を手順2で用意したポットに植え込みます。
ワンポイント!指で軽くくぼみを作って優しく植えてあげましょう。
(2)水差し
手順1:挿し穂作り
(1)挿し木の手順1と同じ要領で挿し穂を作ります。その挿し穂を水に挿しておくだけです。
ワンポイント!傷むのを防ぐために、水はマメに交換するようにしてください。
手順2:植え込み
発根後、水はけの良い土に植え込んでください。
(3)茎伏せ
手順1:挿し穂作り
葉がついていな茎を7㎝程の長さで用意します。
手順2:土の用意
よく濡らした土をポットに用意しておきます。
手順3:植え込み
挿し穂を土の表面に寝かせるように置きます。
ワンポイント!挿し穂は切り口の半分が埋まる深さまで沈めておきます。
また水やりは、土が乾ききる前に与えるようにしましょう。
手順4:植替え
発根した挿し穂を水はけの良い土に植え替えましょう。
ワンポイント!あまり大きな鉢に植えると土が乾きにくいため根腐れの原因となります。
土に植え替えてからの管理方法:
半日陰で直射日光が当たらない場所で管理してください。
新しい芽がでてくるまでは、土が乾ききる前に水やりを行いましょう。
根が張りしっかりしてくれば、土が乾ききってからお水を与えるようにしていきましょう。